ことほぎ手帖

転移乳がんとともに今日もどうにか生きてます。

「息子さんが…」 ――それ、嘘です。

昨日の11時頃、義母から電話があった。

義母「あのね。今、病院から電話があって、A(夫の名)が仕事中に倒れて救急車で運ばれたっていうの」
私「Aが? こっちには何の連絡もありませんよ」
義母「そんなのおかしいわよね?」
私「おかしいですね。まずこっちに知らせる筈です」
義母「しかも埼玉の病院なの。神奈川に住んでるのにおかしいじゃない。そしたら、仕事で埼玉に来てたからだって」
私「ないです。都内のビルに籠もって仕事してます」
義母「そうよね」
私「その電話、絶対、嘘です」

しかも検査をしたら舌がんが見つかったとかいう話もしているという。なんじゃそりゃ(^_^;)。
私「そんな徴候、まったくありませんから!」

変だと思った義母は「確認してから折り返す」と言って、相手の名前と電話番号を聞いていたらしい。グッジョブ、お義母さん。冷静でいてくれてよかった。

昼を過ぎて夫からもTELあり。事の次第を話す。もちろん夫はピンピンしていた。
今回、義母のもとにお金の要求等があったのかどうか、そのあたりは聞きそびれてしまった。いずれにしろ大きな被害がなくてなにより。

それにしても、なくならないね、この手の話。
五体満足なら、そんな変なことしてないで真面目に働けばいいのに。人手不足なんだから、きちんと働いて、周囲から感謝されるようになればいいのに。そのほうがずっと素敵なのにね。

自分から主体的に「他人を騙してでも自分の状況が良くなればいい」と考えて悪事を働く奴はどうしようもないとしても、意図せずにそういう奴らに加担することになってしまった人というのも今時は結構いるという。悲しい世の中だ。

私自身もさんざんお金には苦労した。毎日生きるのがやっと、という期間も何年も続いた。若い頃から個人事業だったから大変だったんだ。

でも、助けてくれる人たちがいた。仕事を回してくれる人、食事に招いてくれる人、本当に困ったときにお金を貸してくれた友人(もちろん全額返した)。
そういう人たちにものすごく感謝しているから、自分も誰かが困っているときには手助けできる人間でありたいと思っている。
残念ながら今は思うようにならないけれど、少しずつでもいい状態に戻して、周囲を思いやれるようになりたい。

そして、そんなふうに思っている人は、きっとたくさんいる。

困った状態にある人は、変な方法ではなく正しいやり方で助けてくれる人がいる筈だということを、一度、心に思い描いてみてほしい。
誰が助けてくれるか、それは一概には言えないけれど、一人で抱え込む必要はないんだということをまず第一に考えてほしい。

助けを求めるって、とても大切なことで、とても素敵なことだ。
それができる世の中であり続けてほしい。
なんてことを思った本日なのでした。